皆さんこんにちは。どうも。
先日、札幌市で銃や爆発物を製造・所持したとして、無職の元会社員(29)が逮捕されました。
これを受けて、日本で個人が毒物・劇物を買えるのか?を考察していきます。
で、なんでいきなり毒物・劇物が出てきたの?って思われるかもしれませんが、爆発物の原料には必ずと言っていいほど毒物・劇物が使われるからです。
まず、今回の容疑者が製造した爆発物は「HMTD」と呼ばれる物質で、有機過酸化物の一種です。
この他に、有機過酸化物で爆発性の高い物質は、過酸化アセトン、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジエチルエーテルパーオキサイドなどがあります(というより有機過酸化物であれば、ほぼ不安定で危険なものだと思っていいと思います)。
で、このような爆発性の有機過酸化物を製造するには過酸化水素が必要です。
この過酸化水素は、濃度6%以上のものは日本だと劇物に指定されておりますが、日本で毒物・劇物を購入する際は、法律上は18歳以上で心身に問題がなければ購入できてしまいます(身元調査などもありません)。
で、法律上は販売業者のみが毒物・劇物を販売することができ、販売業者は販売する物質名や数量、販売年月日、購入者の住所、氏名(署名押印)が書かれた書面を5年間保管する義務があります(購入者は署名押印しなければ購入できない)。
なので、あくまで法律上は、購入者は署名押印をするだけで良いのです(業者には保管義務がある)。
ただ、実際は倫理的な観点から、業者は何でもかんでも販売してくれない場合が多いです(販売してくれるかどうかは業者次第)。
私は以前、掃除目的で過酸化水素を購入したことがありますが、その際にも販売業者をネットで探し、そのうちの何件かに連絡を取り、個人にも販売してくれるのか?を聞きました。
その結果、個人にも販売してくれる業者を見つけることができました。
なので、過酸化水素を購入することができたのですが、大手の販売業者は、ほぼ個人には販売してくれません。
なので、個人に毒物・劇物を売ってくれる販売業者を探すコツは、名の知れないマイナーな業者に「個人にも売ってくれるのか?」を問い合わせてみるといいと思います。
もちろん、用途は聞かれますので、業者に不審だと思われれば売ってくれないでしょう。
で、当然ですが、何に使おうと購入者個人の自由ですし、法律的にも、販売業者は上記の適正な手続きを行っていれば、特に問題ないでしょう。
事件や事故が起きた場合も、販売業者に責任はありません。
ただ、世間体や倫理的な観点から、自社で売られた薬品が犯罪に使われたり、危ない薬品を何でもかんでも書類上の手続きだけで売ってしまう業者だというレッテルを貼られることは避けたいでしょう(犯罪者がこぞって買いに来るかもしれませんし・・)。
後、犯罪に使われるということは、被害者が出る可能性があり、被害者から恨まれたり、損害賠償を請求されたり・・要は面倒な事態になることも業者としては避けたいはずです。
なので、毒物・劇物を購入することができた人は、売ってくれた販売業者を裏切ってはいけません。販売業者としては、個人への販売を拒否することもできたのに、売ってくれたんです。
もちろん、初めから悪意があって、そういう売ってくれる業者を探していたのなら言語道断ですが、何か事故が起きて、被害者が出てしまったとしても、売ってくれた販売業者の名前は(誰にも)明かさないようにしましょう。
所で、話はかなり飛躍しますが、日本で爆発物を作れるのか?ということであれば、作れると思います。
前述したように、有機過酸化物は爆発物そのものです。
しかし、爆発物を作ったところで、特にこれといった用途がなければ、危ないだけですよね。
しかも、場合によっては逮捕されます。
日本には、爆発物取締罰則というかなり古い法律(確か自由民権運動がきっかけで施行された)が未だに残っており、有罪になれば懲役のみのかなり重い罰則です。
爆発物の製造に関しては、治安を妨げ人の身体財産を害する目的で爆発物を製造、輸入、所持した者は3年以上10年以下の懲役または禁錮という内容になっていますが、治安を妨げ人の身体財産を害する目的かどうか?は争点となると思います。
なので、単に興味本位や実験目的で製造できるか試したが、製造できるとは思わなかった・・など、治安を妨げ人の身体財産を害する目的でなく、そもそも製造できるか定かではなかったが結果的に製造できてしまったなど・・であれば、起訴はされないのではないか?(つまり無罪)と思います。
ただ、法律云々以前に、もちろん作る時も危ないですし、保管も危ないです。いきなり爆発するかもしれません。
特に、地震大国の日本だと、地震が起きて容器が倒れたりしたら、爆発の危険があります。
なので、素人が作ってから、どうしよう・・って思っても困りますよね(保管とか、管理とか・・)。
なので、作る場合はあくまで自己責任で、作る物質の性質をきちんと理解してからでないと危険です。
以上、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。