化学物質の取り扱い(事故事例)

皆さんこんにちは。どうも。

以前、私が一時的に請負(システムの導入)で行ってた職場(茨城県)でウイルスや化学物質を扱う場所がありました。

私は直接、化学物質は扱っていませんでしたが、化学物質を扱うエリアは2重、3重の鍵付きのドアで厳重にロックされており(ドアには赤いドクロのマーク)、いくつもの防犯カメラで監視されていました(テロや侵入者対策)。

後、ドラフトチャンバーや緊急時の水洗シャワー、アトロピンの注射器(静脈注射)、AED、防護服、緊急通報装置(ボタン1つで消防・警察へ通報される)、放射線警報装置、消火器などが用意され、物々しい雰囲気でした。

なんでこんなに厳重なのか・・・

その現場で扱っていた化学物質が、硝酸ウラニル(核原料物質)やウラン化合物、フッ化水素酸、アクリル酸、過酸化ベンゾイル、イソシアン酸メチルなどでした。

工業大国の日本では、工業的に利用価値の高いフッ化水素酸やアクリル酸、過酸化ベンゾイルなどの危険物を扱う会社が結構あります(高濃度の過酸化ベンゾイルは日本とアメリカだけが生産していたはず・・)。

で、その現場で事故が起きてしまいました。

化学物質を扱う従業員が、防護服を着用しないで防護マスクと安いニトリル手袋だけでフッ化水素酸を扱っていた時に、誤って右手にフッ化水素酸をかけてしまいました。

その従業員は手袋をしていたため、そのまま作業を続けていたのですが、数時間後に右手に激痛が走り、その場で倒れてしまいました(すでに気を失っていた)。

フッ化水素酸が手袋を腐食していたんです。

発見した別の従業員が、急いで消防へ通報しましたが、救急車が来た時にはすでに心肺停止でした。

ただ、そこから応急処置が施され、その従業員は何とか一命はとりとめました。

これ以外にも、過去にフッ化水素酸で人が何人も死んでいます(フッ化水素酸を靴に塗られた女性が指を切断する殺人未遂事件も起きています)。

後、過酸化ベンゾイルも爆発性があり、過去に爆発事故で人が何人か死んでいます(会社が規則を守らず、作業効率を重視し、一か所に大量の過酸化ベンゾイルを貯蔵していたのが原因。JCOの臨界事故も同様)。

後、アクリル酸の重合による火災(爆発)で、高温のアクリル酸を浴びた消防士が過去に1人殉職しています(温度管理や貯蔵方法が適切ではなかったため、異常な重合が発生)。

また、過去に私の同僚が、仕事で過塩素酸アンモニウムを金属さじで扱っていた時に、爆発し、ドラフトチャンバーを1つ吹き飛ばしましたし(その人は大けがで、仕事は終了=打ち切り)、その人はフッ化水素酸を誤って金属容器に入れて、容器を1つ腐食させています。

なので、言うまでもないですが、化学物質を扱う職場では、まず扱う物質の性質(危険性)と作業内容やそれに伴う危険をきちんと理解することです。

で、十分に理解したら、後は必ず防護服などで身を守る必要があります。

特に、扱う物質の瓶のラベルは必ず確認する、酸化性物質は金属さじで扱わない、爆発しても被害が少なくて済むように少量づつ扱う、混ぜてはいけない物質同士を絶対に一緒に置かない、使う時だけ容器の蓋を開け、直後に必ず閉めてから作業を行う、フッ化水素酸などの毒物を扱った後の容器や廃液は適切に処理=無毒化する、フッ化水素酸やイソシアン酸メチルは防護服と防毒マスクは絶対に着けてから作業する必要があります(過去に蒸気を吸い込んだ人が何人も死んでいます)。

後、できれば複数人で作業した方が、何かあった時にいいかもしれません(ある意味命がけです)。

私も今後、万が一化学物質を扱う職場に行く際には(もうないと思うけど)、十分注意します。

以上、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA